この腐った入れ物の中で
記憶というフィルターを通して見る
蠕動しその身を朽ちらせるだけの腐敗物め
不出来なものとしてこの世に排出された
たった一粒の蛆を愛している
何億の蛆が散りばめられようとも
たった一粒を見つけることができる
たった一粒だけを愛している
誰に引き裂かれようとも
自身らが引き裂こうとも
肉體の火傷の跡は俺を縛るもの
決して許しはしないもの
分裂した先にあるもの
破裂した過去に置いてきた
永遠に交えない赤と黒
解けることのないように
見えない鎖を強く巻いた
どんなに離れても
他の誰かと付き合っても
鎖は繋がれたままだった
そうしてまた
寂しさたぐり寄せて心重ねる
粘膜にニードル刺して
14Gの慰め入れて
誰が待つというのだろう
誰に触れられるというのだろう
一秒でも
僕はこの世に存在しているのかとさえ疑う
誰を待っていたというのだろう
誰に触れたかったのだろう
一秒でも
僕は、君に確かに存在していたはずなのに、
いつから死んだの?
誰の中にも 僕はいない
君の中にも 僕はいない
僕の中にも