2013/01/16

(XII.死刑囚)死荊棘


死んでるみたいに生きていたい。
生きてるみたいに生きたくはない。

闇の隅で蛹になる
孵化することなく
黒い夢を見続けている

ドロドロとベタついた黒いスクリーン
ドロドロと溶けゆく主人公

死んでるみたいに生きている。
生きてるみたいで死んでいる。


2013/01/08

薄情な断片


記憶の中に落ちた花びらを噛む。
紅色の甘い汁が花びらの断片を縁取った。
1ミリにも満たないこの切れ端を写し取る。
時の隙間に閉じ込める作業を繰り返し、
そうだな、いつかブログに開放すれば、
僕は、僕を疑うことができるのかもしれない。

僕は僕ではない。

本当の僕は違うんだ。

レンズの向こうの世界はリアルで、
それを切り取り閉じ込めることで、
あらためて僕のテリトリーとなる。

疑うことのない現実が、レンズ越しの僕を軽蔑している。

それとも。
飲み込んだ一片だけが真実なのかもしれない。

2013/01/01

ギセイジュウデンキ

 
探してた
不確かな確信は此処に在る
誰にも見つかるはずがない
確信はひとつだから

あなたの傷は俺の存在
あなたの痛みは俺の確信
あなたの欠片は俺の失くした一部

俺に開いた無数の黒い穴
全ての蓋は何処に有るの
どうか塞いでほしい屈折した欠片で