2014/09/18

つぶれる


水飛沫の音を聞いた
確かめたかったのだ
愛という感情を切り離したかったのだ

不必要な感情を
飛沫のひとつひとつに閉じ込めたかったのだ

たったひとつの感情を
たった一つの飛沫に託したかっただけなのだ
それだけなのに


たったひとつのひとつぶも見つけられない


僕の感情はたんなる液体にさらわれてしまった



僕は哀という感情を失ってしまったのだ