2023/05/31

時刻む


インクの出ないペンをそっと置いた

誰が読むというのだろう
誰が知るというのだろう

ひどく孤独な作業を繰り返している
生きることにも似ている



宛先の無い手紙は届かぬまま
私と一緒に焼かれてしまうのでしょう


時を追い
君を想い
青が霞む

2023/05/18

雨と無価値




ただ文字を重ねているだけ。

乾いた吐物があるだけ。


何れ肉体が消え去るとき、すべてが消滅するのでしょう。

深い夜の末、雪が消えゆくように。



産声をあげたくなかったのです。私は。



世界の片隅で価値ない者が価値ない物を嘔吐する。

今ここで去り、蔑むべきです。あなたは。私を。