2012/08/30

t a r g e t



すべての敵が僕をもてなす

僕の愛想笑いの奥で
新たな刃先が産まれる

すべての敵に贈る
醜く膿む歪んだ裂傷
 

2012/08/24

手がかりは君の色


目的を見失いました。

冷蔵庫をノゾイテモ閉めても
覗いてもシメテモ

何も見当たらない。
わけもなく牛乳をスープカップに注いだりして。


換気扇をマワシテモ止めても
回してもトメテモ
何も。


君は知っていたのかもしれない。
手に握っているスプーンも。

心はフレークのように砕かれて。
  

2012/08/19

TEARS of BLOOD


ザラツイタ言葉を持って雨音を握り締めた
不確実になるあの人の気配

君は知らない
僕がどんな軽薄さを抱えているのか
君に見せる傷の内側で
絶望の細胞を作り続けていることを

痛みを塞がれた唇は
どこで叫べばいいの?


なにも聞こえないふりで僕の皮膚を破く
その指先の凶器の鈍い輝きに
カイラクを映して


苦い
苦い
記憶のFilm

一滴ひとしずく流れて オ チル


赤い
赤い
痛みのkakera

人知れず零れて ユ ガ ム




戸惑いに溺れそうになりながら
繊細な糸口をたどる


閉ざされた行き先の向こうに
あの人がいたとして…


記憶の淵で
今君の名を叫ぶ





2012/08/11

冷  酷


産まれてくる前に戻りたい
この目に映るすべてが嘘であればいいのに
窓ガラスに映る自分が嘘であればいいのに


すべてを無かったことに
何も無かったことに


 無に飲み込まれて
      砕かれて
    溶けて
      無に



ガラスには何も映らない真実があればいい

2012/08/08

乱暴ヲ途




刻 音ト キ ヲ ト を探しにいきました 


どこにもありませんでしたどこにもなかった




纏 翅テ ン シ は邪悪に微笑んだ


魅 儡ミ ラ イ は無イヨと苦く詠み砂糖菓子を甘く裂く


徽不無キ ズ ナ が撲滅して 


欠片がカケル 破片がハブク




ト キ 割れる音ヲ ト 響く

 

夜割れて


歪みに堕ち逝く


言葉に嫌われて行くは知れず






行くは知れず


誰の胸にも残らずに


横断を吐





2012/08/01

不燃物


投げつけた破片を全て拾われて繋ぎ合わされて継ぎ目がワカラナイほどに補修されてみても
光沢が出るまで磨かれたとしても
僕はゴミであることに変わりない

何度でも傷付けられて何度でも修復されてまた傷付けられて
いつか粉々になり
あなたのすくいあげた指の隙間からするりと零れ落ちる

指と指の隙間を通り抜けるとき
僕はきっと謝辞を述べるでしょう

僕は初めからゴミだったのだから