2012/09/20

鉛筆の焦燥


ここにいたいわけではない
何が欲しい?
腐敗した檻の中
逃げ出さずに何を求めているのだろう…

いつも心を尖らせている
先端は熱く、焼け跡のように焦げている

自由に思いをえがくんだ
自分の色で染めてやる
すべてを変えるんだ!

…あれ?
僕はこんなにちっぽけだったっけ?
こんなに僕はちっぽけだったか?
僕はこんなに

2012/09/18

晴れ宿り


毎日が悲しい、空
それは水色に晴れ渡り僕に影を作るんだ
眩しくて「嫌いだ」と影が言うの
だから僕は君を削ぐ
痛みは雨となり僕を濡らして影を隠す
本質なんて必要じゃない
誰もが影を従えて生きてる
ただ笑って泣いてそれでいいだろ

時々、雨
それは鈍色に暮れ惑い僕の奥を赦してく

2012/09/16

最も深い静寂


右目を殺して見た夢は
A Most Profound Quietという名のフォルダ
感染は嘲る

細胞がチカチカと点滅してる
ドラッグして眼球捨てた
完全に削除しても痛みは消えない

どこを探せばいい?
どこを探せば傷のデータを検索できる?

2012/09/14

トイレ・ストーリー


ヤツは便器の裏側覗き込んで疑問を投げかけた。
 果たしてそこは安息の地なのかどうか


サンは言った。
 そんなものどこにもない
 だがそこは安全だから隠れていろ


ポールは答えた。
 あるさ
 流れ続けていればきっと
 


僕はレバーを押して渦に巻き込まれていくヤツを見届けた。
なんどでも僕はヤツを吐き出して、感動のシーンでもないのに泣いている。
見飽きたストーリーに蓋を捧げたい。

2012/09/11

針裂ケル時



真白な部屋の中で

清潔な布団の上で

正常な酸素の下で蹲る


狂った秒針と

折れた斜光が僕を刺す




暗がりの中、赤い布の上で

もがきながら僕は気付く。

天罰が下ったと。