2013/10/23

裏地の日記(変)


「上がったのね」

と、カーテンが開けられる。

 俺も一緒に外を鑑賞する。

 ベランダの手すりにしがみつく水滴が、陽射しを受けて、きらきらと輝いた。


 街路樹はすっかり秋色を纏っている。木陰からこちらを覗いているメガネも秋の色を装っていた。



 葉が一枚、舞い落ちていく。

 ゆっくりと近づく冷色の気配。