2014/08/03

宛無き旅(送信編)


 ふと目が覚めて、手探りで携帯電話を掴む。
 時間は午前三時九分。
 視界を奪うほどの眩しさに、一瞬目を細める。

 小説を書こうとメール作成を開いた。とりとめのない言葉や、夢で見たことなど何かしら残すのが癖になっている。

 気付くと、ただ漠然と白い画面を見つめていた。
 何も出てこないのだ…

 出鱈目にキーを押して変換した。


 あてずっぽうな文字で画面を埋めると、歴代の文豪気取りで満足して目を瞑る。

 私は再び夢の中を彷徨うのだ。