2017/06/18

(VIII.正義)踏み躙る


吐き出した煙が空に吸収されていく

雲の隙間から陽が堕ちるころ
俺の足下の黒い影が動き出した

それはトカゲのように私を切って
どこかへ去ってゆきました

皆がどこかへ去ったように
どこかに去ってゆきました

蹂躙したタバコの断片に
抑圧された俺の欠片が見えた

私という醜いイキモノから
拙いケダモノが溢れ出ました

空は何時も正しく
皆は極って正しく
俺を裁いてゆく

私を無情に殺してゆくのです