2019/10/01

偽 靜 視 界


 

偽の翅で飛ぶ

霧の向こうに見える一筋の光を頼りに



組み立てた翅の粒がつぶれる、

誰にも触れられもせずに。



偽の私が逝く

振り返った後に残る頼りない筆跡



紡いだ言葉が消滅していく

偽でしかない

偽者でしかなかった



霧はどこまで続いている?

あの光は蜃気楼だとわかっていても。 

それでも飛びたかったんだ。