2019/10/31

残夜杳花


脈に侵入する雑音をうまく拒絶出来ない。
それは躰中を駆け巡り、中枢を破壊した。
この世の全てを拒否して落下していくその時、
モノクロームの視界の隅にひとつだけ色づく花が揺れた。

その花を摘むことが出来たなら約束を守れたのに。