2019/11/19

↑Nought↓


世界はざらざらしている

黒と白が混ざり合うことなく漂っている

ノイズはひどく僕を狂わせる


外は嫌いすぎて苦しい

もしかしたら僕だけが狂っているのだろうか

2019/11/11

赤が僕を綴じるとき

 
呼吸を殺して考えた。
僕にソレをもたらすものはなんなのか。
ヤツはどんどん迫りくる。
考える余地はない。

世界が赤に閉じるときに僕は気付く。
逃れる方法など無い。


醜い僕から醜いモノが落ちて、美しい服を着た美しい人々が顔をしかめた。正常が正義だと青い鳥が囀った。


2019/11/09

みっぺい 【min+gum】

 

 私ニ咲ク花ヲ摘ミ 密閉スル
 液体ヲ優雅ニ漂ウ
 其処ニ咲クノハ 一輪ノ美シイ花

 私ハ錯 花ハ罪 蜜ニ閉スル
 液状ヲ孤独ニ タダ、漂ウ
 底ニ裂クノハ ヒトカケラノ醜イ花





2019/11/08

契 リ


自由を求めて飛び出したけれど
自由なんて無味でしかなかった。
窮屈な檻の中で飼われていたほうが生きている感じがした。

わかってる、君は真実を持っていた。
ただ当たり前に純粋に私を愛してくれた。
君の手の中で、私の千切られた羽が泣いていた。
だけど君は涙を拭こうとはしなかった。
羽のない哀れな私を笑った。
私のことを「殺したい」と笑った。
私はそれでも構わないと思った。

ねえ、わかってた?私は嘘を隠していた。
ただ必死に君のことを愛したんだ。
痣が残っても切り傷が増えても耐えられた。
だけど君の不機嫌に怯えていた。
嫌われたくなかった。
突き放されるのなら殺されたほうがマシだ。
そうして心を失くしていった。



自由を求めて飛び出したけれど、
自由なんて無味でしかなかった。
窮屈な檻の中で飼われていたほうが生きていた…


飛べない蝶は 踏み潰されるだけだ。