2022/03/30

螺る。


うすぐ影が産まれる。
僕は毛布に包まり、目を閉じた。
静寂の中、産声を聞いた。
外ではまた一日が始まったのだ。


同じことの繰り返し、


僕の声がカーテンに遮られて落ちる。
言葉の残骸は、カーテンの隙間から入る薄陽によってわずかに影をつくるのだろう。


同じことの繰り返し、
同じことの繰り返し、
同じことの繰り返し、


うんざりしながら今日も眠りに就く。
部屋中に溢れた言葉で窒息する夢を見る。
「同じことの繰り返し、」に溺れて沈んだ僕の残骸に陽は届かず。

2022/03/16

みにくいアワレの箱


悲しみの、底にいた。
色付いた世界は僕をひどく憂鬱にさせた。
色の届かない箱の中で、膝とひっついて、僕は僕を哀れんだ。
傷はいつまでたっても乾かなかった。
一粒の水滴に映る輝きでさえも眩しかった。
眩しくて、目を背けた。
背けたくて憎たらしい。
憎たらしくて、悲しい。
悲しみの、箱にいた。