2012/05/27

忠実ナ嘔吐物(魂)


血管に棲息している蟲が神経を破壊しているのか


朝からクソな痛みに拘束されている。どす緑色の


血が口とか目とか毛穴という毛穴から染み出そう
な気配を押し殺すように、苦い珈琲を流し込んで
奴らの機能損壊を阻害しようと試みるが、ちっと
も軽減されない。よく見たら、毛穴という毛穴は
鍵穴で、俺はこいつに制限されているようだ。だ
けれど、毛穴という毛穴…ではなく鍵穴という鍵
穴に適合する鍵を探し出して、施錠という施錠を
繰り返していては、
 






もう、
 






最早、
蟲は中枢にまで達して、
 


俺の機能は、停止せ、ざる…を……得な……

 




2012/05/25

識別判断中


外は赤るくなろうとしています。

ぼくたちは部屋の掃除をしています。

なのに、ぼくのかげは、ぼくに指図するばかりでなにもしない。

ぼくは黒うして要るものと要らないものを茶んと別ける。


【早く白。】

【早く死なければ】


かげはぼくを水に言った。

これは?


【要らない】


これは?


【これ桃う要らない。】


どう橙ぶ部屋が黄れいになったよ。



セカイ灰つもと同じ朝を色別する。

2012/05/13

ランチ


信じるるものなんて
なにひとつ亡い
滑稽に誘うペコ腹に
照りりと焼いたバーガー押し込んで
ガラス越しに見える人間どもを咀嚼した
得体の知れ亡い不信感の味がピクルスに紛れ込んでる

炭酸の効いたドリンクで流し込むと
得体の汁る華やいだ味がした

今は失き、情景を飲み込む

2012/05/12

いつしかの月へ


夜空を切る一粒の雨

冷たい粒子を感じて目を閉じる

揺らぎのない確信を飲む

それは喉の奥を流れて

僕の核心に付着した


やがて陽が空を切り

一粒の光が射すことでしょう

温かい粒子を感じる頃

僕は眠りに就くでしょう

僕は僕を抱いて


冷たい僕を

陽は溶かしてゆくでしょう

僕の粒子をいつしか

月が照らすことでしょう


2012/05/09

祈り


時は泣いた
果ての境地に
行けるのなら今すぐ
夜が明ける前に旅立とうと

 赤に祈る、

時は焦れた
果敢に歩んではみたが
行く先は闇でしかなかった
夜はまだ明けない

 錯ク花に死ヲ願ウ、

時は思う
果てなど何処にもない
行くところなど何処にもない
夜ガ明ケナケレバイイ
 
 安らかなる死を。