2017/11/21

不変の付箋

今日も明日も僕は変わらない。

世界も変わらない。

変わらない世界の中で

変わらなく生きていく。


ページとページの隙間で、

呼吸に罪悪感を押し付けながら。


削がれることなく薄ペラいまま。



2017/10/29

屑の嘆き

しみったれた鳴き声に
脳まで呼応して
頭の中さえずりまわってる
情理はいつも不で
確信も常に不であり
意味は無き
不味い固形物吐き出したら
秋が鳴き

2017/10/06

赤い涙

 

     孤独の中、
      壊れる
        罅。


        押し潰される、
             影。


             蔑みの廃液は赤い涙を産む。


2017/10/03

解放ノ瞬


いばらを胸に抱いて

絡み付く棘の矛先を胸に打ち

私は磔刑され

醜穢の彩を放つ



私の過ちが

永遠に赦されないことを望みます





あなたはもう、私を愛せません。 

2017/09/14

鬱鬱鬱


意味の無い言葉を
意味有りげに打つ

意味有りげな言葉を
意味無い言葉に移す

そう、つまり
もう、つまらないだけの
ゆううつな文の出来上がり

2017/09/02

鳴 -kujira-


ヒガシズミ

星空の片隅で

花の堕ちる音を聴いた

花びらが重なる音を聴いた

月の欠ける音を聴いた




くじらが鳴いて

僕はくじらと

暗闇の中 彷徨う


2017/09/01

鳴 -jimei-


ヨガアケテ

隔たりの向こうで

蕾の開く音を聴いた

花びらが重なる音を聴いた

陽射しが輝く音を聴いた




耳鳴りが僕を殺して

僕はひとり

暗闇の中 眠りつく


2017/08/18

届け


空から零れる涙が止み
灰雲の隙間から射す一筋の光りに
穏やかな感情をあてがった

光彩は交錯する
葉先に
波間に
君の意識に

2017/07/17

サス


はっぴーな感情は過去に置いてきた。

ただ生きて死ぬまで生きて、痛みなく何事もなく過ごせたらそれでいい。

また一日、陽が沈まなかった。

耐えられない痛みに耐えていた。

耐えることができるのなら耐えられないとは言わないのではないか。

という屁理屈は過去に置いてきた。

痛みが痛いのだ。

だから陽が沈まなくても別にいいやと痛みの奥でやり過ごした。

昨日一日、何もできなかったことをすべて痛みのせいにする。

あんはっぴーな感情を、狂うフォントで飾りつければ、

また一歩、死が近づいてくる。

2017/06/18

(VIII.正義)踏み躙る


吐き出した煙が空に吸収されていく

雲の隙間から陽が堕ちるころ
俺の足下の黒い影が動き出した

それはトカゲのように私を切って
どこかへ去ってゆきました

皆がどこかへ去ったように
どこかに去ってゆきました

蹂躙したタバコの断片に
抑圧された俺の欠片が見えた

私という醜いイキモノから
拙いケダモノが溢れ出ました

空は何時も正しく
皆は極って正しく
俺を裁いてゆく

私を無情に殺してゆくのです

2017/05/13


嘔吐という名の敵が僕を狂わす。何度でも。
吐きながら逝くことを考えて幻滅する。
生まれてきたくはなかった。
生まれ変わりたくはない。
それだけを願う。
ただ痛みなく、おだやかに過ごしたいだけなのに。
嘔吐という名の敵が僕を殺すんだ。何度でも。
暗闇の片隅で時間だけが無情に過ぎていく。
ひたすら黒を眺めて呼吸を繰り返しているだけ。

2017/05/02

白い底


朝霧が悲しいほどに白かった
タバコの煙がどこをくぐっていったのかもわからないほどそれは
行方を閉ざしていた

朝霧は悲しみを濃くさせた
足元から深渕が広がってどこまで続くのかわからないほどそれは
底まで・・・
底まで・・・

白い重なりは沈む
僕の悲しみも沈む
其処まで

2017/04/12

孤独の中枢



孤独の中枢は蜜の味がした


得体のしれない力に抑制されている
重圧?
違う
むしろ心地がいいくらいの…


いや、俺は、無でありたいんだ


ダレモ愛サズ
ダレニモ侵入サセナイ





2017/01/10

朝片時雨

僕の半分が僕を憂い泣いている

残りの半分で自分を憎悪する

虹は美しく 二人を引き裂いて

2017/01/09

夜片時雨

僕の半分が君を思い泣いている

残りの半分で自分を嫌悪する

月は美しく 夜道を欺いて