2025/10/10

ーW H E N  T H E   S U N  S L E E P Sー


堕ちゆく花片

かすかに放つ甘い匂い

私を纏う死にたての欠片


花は嫌いと言ったのに




憎しみの言葉は螺旋となり

夕闇を待ち蕾生む


二度と咲くことなく

堕ちゆく花片

かすかに響く孤独のうた

私を厭うありふれた唾棄

2025/10/09

心路(ウラジ)の日記(へ)


名もない君へ

「黒と青が螺旋を描いてる
 PostHardcoreの歪みが響き渡っている

 この悪しき世界と
 そのグロテクスな肉体を
 すべて捨てて堕ちるがいい

 無もない場所へと」
     
  

 スクリームが冴えたら、まもなく僕はシズム。
 無のない場所へ──

2025/09/17

くたばる。



例えば十二月二十三日

自分が死んだ日の答え合わせはできない


もういいよ、と嘆いても

生き場所も
行き場所も
逝き場所も
どこにもない


痛みが
ツタのように絡みついて

咲くことのない蕾が自分自身だと気付くのに

どれほどの時間を要したのか──



夢は不明に警醒しながら

不意に蕾を引き千切る

2025/09/03

排他クロニクル


ようやくクルシミから開放され
数日は痛みに邪魔をされず過ごせるのかもしれない
ひたすらクダラナイモノを書いて
そこになんの意味があるのか


意味なんてなく

自分という人間が
間違って生産されたことを

誤魔化しているだけなのか


誤魔化した分だけ、黒になる。

もうすぐ私は黒に沈み、

ナニモミエナイ、アナタニハ。

2025/08/10

点と終点



気が付けば
いびつな線を記していた

掛け違えた線は
新たな点を生み、消滅した


私はようやく知ったのだ

初めから
要らなかった点だった、

ふたつとも。


この世でも。


2025/07/16

心路(ウラジ)の日記(ト)


すべては戯れ言
ベストな生き方などできない
てのひらの雪が墜落する
残片が泣いて
劣化した日常をわずかに潤した
ゴミなりの結末は
とぎれとぎれの物語を哀楽するだけ



また頁が一枚、抜けていく。

確実に近づく終焉の気配。



2025/06/18

耳蟲


暗がりに棲む蟲が
ひどく鳴く

まるで終末音みたいに響いてる

2025/06/15

時の残酷さも知らぬままに


凍て空の下
路地裏の片隅で
虫螻の傍ら
私の死に面から
斑な花が咲く


棘は悪戯に
あなたの指を刺し
解けゆく赤い絆

訣別の痛みを以て

2025/06/01

↑Nought↓(完結編)



 視界はざらざらしていた


黒と白が混ざり合うことなく漂っている


古傷があぶくのように

僕のもとから消えてゆく



ざらざらの中でなにも無い僕は・・・

僕だけは狂っている

2025/05/09

cycle


夜空を切る雨粒のひとつになる
切リ刻んだセカイから
新しい朝が生まれまシた
そこから映る景色に
セカイは彩られているのか
僕は生け捕られているのか
知るすべはナい
だってもうほら
雨は夜に溶けていく
僕は溶けていく

2025/04/17

菱る


いつの間にか
雪が死んでいた
鏡面に映る私は
醜くも春に立つ


2025/04/12

歪む羽音


喧騒が遠巻きに聞こえる
同じ空間にいるのに
私だけ隔離されているよう
グラスに遮断された珈琲みたいに
私もこの身体に閉ざされている

私が私を壊せば
違う自分になれるのか
それともそのまま消え失せるのか

苦みすら残せない私は
そっと耳を塞ぐだけ
まだ5月ではないのにと訝しがりながら

2025/04/11

残存の枷(2025)


言葉に意味など含めない
愛は無用な装飾であり
感情は不要だと言い聞かせる

十字架を赤く染めて壁に掲げた
垂れたペンキに哀を課せる
独りで生きることの確信を産み
何者でもない僕を模る

此世に自分など含めない

2025/04/03

この橋を越えたら


もう戻ることはない

最後の雪を手のひらで受け止めた
悲しみも何もかもすべて
時間とともに過去へと流れゆく

雪の涙が地上に落ちるころ
私はもう歩き出している
時間とともに未来へと


2025/03/25

灰になるまで


誰も要らない
何も要らない

拒絶を歩み続けた人生の終わり、

遠退く音の中で
赤だけが唯一、華やいでいた───

赤だけが私を情熱的に燃やし尽くしてくれるのだ

2025/03/08

歪んだ境界線


歪んだ境界線の縁で

歪んだ世界を見てる

水玉模様の景色が

視界をはじいて

ただのきれいな町がそこにある


ただのきれいな町に酔いしれて

ぼくのきたない内側に

斜め模様の光射す


2025/03/06

雪の死


暗い淵で夜に触れ
一瞬でも
冷たさを刺すことができたなら

鏡面に夜が揺れ
永遠に
傷を残すことができるなら

まやかしでも幸せだったと
ささめき消ゆ


2025/02/12

死にたい月/歌詞


悲しみの夜に
一人取り残されている
鏡に沈む幾望を
救うことはできない誰も


壊れた夜を仰ぐ
二度と戻れない
重なる花の儚さを
摘むことはできない
今でもぼくは
探し続けている
かたちのない欠片を


墨色の宇宙ソラに星座を繋げて
また環りあう
果てのない底へ
堕ちてゆこう何処までも


2025/02/10

TiME RiMiT


さいのうのかけらもない自分が

汚れた断片を塗る、



汚れた雪が舞い落ちて



いづれ解けてゆくまで。

2025/02/03

〓✓々″✓の残片



残片がアミダの道をたどり

せわしなく蠢いている

何処へ逝クのか

何処〓も逝クことは無いのか

アタリはあるのか

誰〓もわからない


雪片がナミダの跡を消して

し✓し✓と降る

此処ではない場所を求めても

此処〓しかいられない

ハズレの人生〓

唯しがみつくだけ


朧々″な月を見あ々″て

無の感情で死を待つ

ゆらゆらと灯る雪が

冷たくなった僕〓

る、

  降

  る

   °

    


2025/01/12

MiNt lInE


ミントグリーンの思い出の中で
つくるうた


駅前通りには
まだアーケードがあった

少なくとも
買いたいと思えるアクセサリーも
まだ並んでいた

色違いのブレスレットは
どこへいったのだろう



甘くてパステルカラーみたいな毎日

幸せなはずなのに
毎日が悲しかった



ふわふわしたわたあめみたいな記憶

悲しいはずなのに
記憶は愛で溢れてる



遠い日の色は今でも鮮やかに音を運んでくる