
2019/12/19
2019/11/19
2019/11/11
2019/11/09
2019/11/08
契 リ

自由を求めて飛び出したけれど
自由なんて無味でしかなかった。
窮屈な檻の中で飼われていたほうが生きている感じがした。
わかってる、君は真実を持っていた。
ただ当たり前に純粋に私を愛してくれた。
君の手の中で、私の千切られた羽が泣いていた。
だけど君は涙を拭こうとはしなかった。
羽のない哀れな私を笑った。
私のことを「殺したい」と笑った。
私はそれでも構わないと思った。
ねえ、わかってた?私は嘘を隠していた。
ただ必死に君のことを愛したんだ。
痣が残っても切り傷が増えても耐えられた。
だけど君の不機嫌に怯えていた。
嫌われたくなかった。
突き放されるのなら殺されたほうがマシだ。
そうして心を失くしていった。
自由を求めて飛び出したけれど、
自由なんて無味でしかなかった。
窮屈な檻の中で飼われていたほうが生きていた…
飛べない蝶は 踏み潰されるだけだ。
2019/10/31
2019/10/19
2019/10/15
2019/10/03
2019/10/01
2019/09/24
2019/09/22
2019/09/14
2019/09/11
2019/08/23
結末から始まるストーリー(夢)

結末がどこにあるのか探しに行った。
人ゴミを掻き分けても
粗大ゴミを荒らしても見つからない。
カラスの足元に新品の漫画があった。
俺はカラスをはねのけ、それを手にした。
冒頭から主人公が死んでいた。
背景がやけにスカスカしている構図だった。
十分な余白は静寂過ぎた。
カラスがギャーッと鳴いた。
俺は、余白の中に、俺という線を模った。
俺の足元に、主人公の死体があった。
カラスが生ゴミの袋を突いた。
自堕落な穴の向こうは喧騒過ぎた。
喧騒の中に新品の消しゴムが見えた。
俺はカラスをはねのけ、それを手にして、主人公を模る線を消した。
消しゴムのカスをゴミに捨てて、俺は次のページへと進んだ。
カラスがギャーッと鳴いた。
余白の中の俺という線が消失していく---ーー
何度目かのアラーム音を止める。
ダルい頭と体を起こすと、ゴミ出しというエピソード2が待っていた。
2019/08/18
2019/07/07
完全ナ青ノ下デ(すべて君のせい)

健全なあの空をスケッチする
僕から流れる影は君を飲み込む
(君の笑顔の裏まで)
新鮮な絵の具を混ぜて
キャンバスに君を吐き出して
完全なるこの絵の劣化を待つ
すべてはあの青い空のせいにして
2019/06/17
2019/06/11
2019/05/09
2019/05/06
毀叫 -ĸıĸʏou-
何年経とうとも変わることなく
僕は未だ同じ場所にいる
きっとあの場所で死んだのだ。
あの冷たいアスファルトの上で。
手をかざして透けて見える景色は誰のもの?
街ゆく人たちはみんな誰かのもとへ帰る
みんな誰かがいるのかな
・・・僕は誰のもの?
こんなに広い空なのに
こんなに広い空のなか
僕はひどく空洞なのか
誰にも映らない僕
誰のものでもなく
なにものでもなく
裂けてしまったあの日に声を置いてきた。
どんなに助けを呼ぼうとも、
もう誰にも届かない。
もう誰にも届かない
誰にも
2019/04/04
2019/03/03
2019/01/10
静寂を侵蝕する黒い粒子から逃れるためのカラフルな遮断
いつしか時をはぐれて蹲っていた
ここには何も聞こえない何も届かない
違う、
聞こえないのは耳を塞いでいるからだ
届かないのではなく自分で拒んだ
傷つくことに恐れ自分を守ったつもりでいたけれど最終的に、
傷つくことに恐れ自分を守ったつもりでいたけれど最終的に、
あなたを傷つけたのは、僕でした。
塞いでいた耳から手を離すと規則的な音を立てて時は動いていた
僕だけが間違った影、でした。
2019/01/07
静寂を侵蝕する黒い粒子

鋭利な光りが僕を傷つけるから、
僕は夜の中で生きよう。
安らかなる夜に包まれて眠りに就きたい。
夜はすべてを覆い隠してくれる、
僕のことも。
そうして闇の隙間から
鋭利な光りが誰かを傷つけるのを見届けよう。
安らかなる夜の中で呼吸を繰り返し、
この身が朽ち果てるまで。





