2013/12/09

sink

 

悲しみをどこに置いてきたんだっけ

楽しかった事とか

友達がいた頃とか

思い出 どこに置いてきたんだろう


孤独に溺れ沈んだのはいつからだろう

ここには何も届かず

も う

誰も私を知らない

2013/11/25

憂鬱のあとに


夕闇の匂いは知っていたはず

欠けた月の欠けた照らし方も感じていたはず




夜寝て

朝起きて

学校へ行く



水溜りのよけ方は得意だったはず

透明の傘越しに太陽が見えた

 


ノートを書き留めるふりして漫画を描くのは日課だったはず

誰かが言った雨の日は憂鬱だと

教室の窓から虹が見えた

先生も外を眺めている


雨の日は憂鬱だったはず

欠けた僕の欠けた僕の席、確かにあったはずなのに




夕闇の匂い

欠けた月

雨の降る夜、僕は



2013/11/16

(III.The Empres) スニーカーsaurus


幼稚園児の僕が親に怯えている。
怖くて怖くてしかたがないんだ。

 
 どうしてぼくをうんだの?


僕は心の中で叫ぶんだ。


 うまれたいなんてねがってないのに


間違いを踏み潰しながら、
整列を乱すことなく行進してる。

2013/11/09

僕という名の不味飲料


ハジケルコトナク
気の抜けた炭酸のまま
その喉元を通り過ぎて

2013/10/23

裏地の日記(変)


「上がったのね」

と、カーテンが開けられる。

 俺も一緒に外を鑑賞する。

 ベランダの手すりにしがみつく水滴が、陽射しを受けて、きらきらと輝いた。


 街路樹はすっかり秋色を纏っている。木陰からこちらを覗いているメガネも秋の色を装っていた。



 葉が一枚、舞い落ちていく。

 ゆっくりと近づく冷色の気配。



2013/10/20

裏地の日記(嬰)


「降りそうね」

と、カーテンは閉められた。

 陽当たりの悪い部屋には、最早意味の無い、単なる目隠しのための布切れでしかない。

 毎朝、天候を確認するときだけ、レールを行き来する。


 俺もそっと空を垣間見る。

 雲はわずかに饒舌で、鳥は大いに舌足らずだ。

 ベランダで干からびた何かの幼虫も、自販機の向こうからこちらを覗くメガネも、いつもと変わらない。

2013/10/16

レモンイヱロー

弱さはすぐに忍び寄る

私にピタリと当てはまるようにして

壊れるのは容易く


脆さは常に背中合わせ

2013/09/15

人生


真白な画面を見つめていた。
カーソルの点滅が催促している。
でも、何も書くことがなかった。
私には何も無かったのだ。











END│




2013/09/10

墜落


どこに堕ちればいい?
傷はどこに記したのか?


 落
    

   ↓


↓          
                   ↓

  
↓                        
         ↓

↓               




               ↓




         ↓             


どこに堕ちればいい。
もうすぐすべてが終わる。


傷に還りたかった。


忌まわしい傷跡でも。

2013/09/01

T O K i



無意識にも過ぎ去る。
掴むこともできず戻ることも進むこともできない。

 ─ここにいるだけだ

私はここにいるだけで、
時はここではないどこかを求めて流れていく。

私にとどまることなく流れていく。


瞬間のうち、
あなたになにかを応えることはできたでしょうか。

 ─おそらくなにもできなかった

おそらくなにも。
無情に通り過ぎる景色を焼き付ける。

2013/08/30

v e i l(虚構)

 

ゐろを綴り
うたを編む

浅薄なぬのの内側で
舌を噛む

頁の結末を誰に捲られることなく
赤ゐゐろに染まる僕のすとおりゐ

2013/08/18

ソコハカトナク


僕を罵る痛み。
体を奪われる、このままでは。

振り払って、振り切って、振り向いて、
消滅していくものを注意深く見つめると、
そこにいるのは僕自身だった。

僕は誰なのか、僕に問う。

2013/07/30

雨恋いᵃᵐᵃᵍᵒᵎ


薄暗い空を見上げて少し寂しく思った。

かざした手のひらにはもう雨粒が降りてこなかったから。




  止まないでいてくれたら
   傷口が乾かなくてすむのに。





痛みは君とともに。常に。

染みている。




雨上がりイカれたMUSICを垂れ流しながら

甘だるいコーヒー飲んで僕の欠陥を補いたい。





2013/07/27

つらぬく雨情


触れてもいないのに
雨音は冷たく
俺を突き刺す


積み損ねた言葉は

無情に


俺を突き放して



雨の終わりに
「消滅」の賛美歌が
孤独を深く深く貫いていく



2013/07/15

月曜日よりの吐瀉


                                                             破壊される脳


抉られる体内      



       すべての私を奪う



私を奪う私のすべて 




奪ばれる、すべての私を        




        どうか早く殺して




2013/07/07

錯脳◯△


階段を走る
上に下がったり
下に上がったり
行き先がわかりません


車で走る
右に左折したり
左に右折したり
目的地がわかりません


気持ちが走る、
俺は私であり私は僕。
生き場所がわからない。
どこにもない、
なにもない、

2013/07/02

夜ノ色。



やけに静かな感情を持って、そっとカーテンを開けた。

外は、闇と白の静寂を奏でていた。

完成間近のキャンバスを盗み見ているような、

そんな後ろめたい気持ちで、静かな感情を撫で下ろした。


冬生まれでもないのに、ひどく雪が恋しかった。


終わりの近づく音がする。
時期、なにもなくなるような。

2013/06/26

夜をひとりで


 横断歩道の向こうに偶然、君を見つけた。
 信号が青に変わるまでの間、避けられたらどうしよう、とか気が付かれる前に立ち去るべきかなとか考えたりして。
 君は気が付いてたのかな。わからない。
 結局僕は、その場に立ち竦んでいた。

 会いたくない
 会いたい
 会いたかった

 心が暴走してる。

 信号が青になって、君が歩いてきて、何年も会ってなかったことなんて嘘みたいに、すごく自然にお互い笑顔になって、それから、手を繋いだ。
 君の手、だった。他の誰とも違う。愛おしくて切なくなる。



 夜をひとりで歩く。
 持て余した手をポケットの中に突っ込んだ。
 会いたい
 会えない
「もう会えない」
 僕のひとりごとが、夜の中に消えていった。

2013/06/21

雨が鳴るとき


言葉を失い
次を見つけようともせずにサヨナラ告げる

振り返ることもせずに揺れるスカートの裾


足音を失い
錯乱の花から情を奪ったのはここに在るとき


腐乱の花が乾きを奪う
靴底の下で

2013/06/20

綴時ᵀᴼᴶᴵ


青の奥を伝う。

誰かの。
どこかと。

同じ色を刻む。

2013/06/03

(XVIII.月)嘘月


陽が落ちて影が消えたとき
涙が堕ちて愛が朽ちたとき
嘘に塗られた月が僕を刺す

星たちが瞬き
滅びゆく肉体を哀れむ

どうか酷薄に
どうか美しい塵となれ

2013/05/28

右脳へ


ものすごい破壊音を立てて壊してほしい。
輪郭がなくなるほどに。
残虐なまでに。
粉々にしてほしい。
塵でも糞でも構わない。
ぼくののうが機能しなくなるまで。
まだ、
まだ書けているよ。
ほら、

愛飢えお

左死すせ

ぼくののうはまだかろおぢて

2013/05/26

赤いビスケット


本当の痛みはどこにある?
傷口の奥に潜んでる。
瘡蓋ができる頃、深きに堕ちて永遠に渇かず。

増殖して
不味いあなたを齧る。

不味いあなたを喰い尽くす。

2013/05/24

時ノ音


黒い夜に堕ちる雪
塞いだ手の中砕け散る
微かに弾く旋律を聞いた

繋いだ指先に伝わる鼓動
どうか永遠に続くようにと願った


黒い夜に耀かがよう星
伸ばした手のひら霞めゆく
彼方に架ける孤独を放ちて

静寂の欠片を閉じ込めよう
残酷な言葉ウタにのせて

2013/04/19

-蔑匚- betsubaco


 くらハコの中にいる。


名前はない。

「屑、」

かすかな産声を漏らす。


僕の、軋む音

願ってもない世界に僕はいて、

吐いて吐いて呼吸に喘いで、喉を掻きムシル。

視界は濁り渦を巻き、止まない耳鳴りが警報を放つ

聴こえますか。耳障りな僕の、音階。


2013/04/11

埃(ァィ)


何を見つめても何を知っても

何の感情も要らない

何も欲しくない


 冷たい人形でいい

 壊れた欠片でいい



だからこのまま

私の胸に針を刺したまま

 貴女は私を欺いて


 時々優しく欺いて



2013/03/25

RESTART→


哀レナ独リ善ガリ
テノヒラデ砕ケ散ル
密ノ証拠
虚像ノ種ヲ撒ク
どんなに愛しても
渇いた傷口には入れない

Even as for you?
過去に心を塞ぐ
被覆の偽善者

I leave the proof that lived with you.
退廃の蕾 開く前に

2013/03/24

flow(er)


懐メロ聴いて苦しいほどに泣いた
昔は素通りするような曲だったのに
単純な言葉にたやすくつかまれてしまうほど
いつしか俺は
寂しさを持ってしまったのだろうか



 腐敗要素が欲しい
 そうしてもらえる応報は

  花

 朽ちる一瞬を描写したい



果てた花びらを敷き詰めた俺のウタは誰に届きますか?
貴方の唇に触れることはできますか?


遠くあの懐メロが流れてる
寂しさ脱ぎ捨て花びらを噛む
腐敗の味が俺を噛む

2013/03/14

汚ル


脳ミソの皺に食い込んでル甘ったれた言葉と、
心の襞に巣食ウしみったれた思い出が、
折り重なって螺旋状に絡みついてクる。
クるクるクるクる回ル階段を上りきったら

そこには、

当たり前の色に着色された白い雲と青い空が広がっていて、
僕は黒の絵の具がついた絵筆を無造作にポケットに仕舞い、
ふわふわした雲と澄み切った空に向かってパレットを投げつけた。

舞うパレットと、僕のポケットだけが、

黒ク。

2013/03/10

廃棄処分


賞味期限過ぎた食品みたいに
片隅で腐って逝く
慰めとか同情とか要らないから
もっと早く
もっと早く
30秒だけでいい、あたためのスイッチ押してほしかっただけなのに

2013/03/04

真っ白な五線譜


まだあの頃
まだ笑顔があった頃
まだ疑うことなく友達と呼んでいたあの頃

あの頃まだ
希望という言葉があった頃
少なくともギターを弾くことが楽しいと思えた頃
疑うことなく仲間と思っていたあの頃
真っ白なノートに頼りない五線譜引いて、ごちゃまぜなウタを書いて消して書いて消して書いて。
朝まで

あの頃まだ
マシだった感触があった頃
ボクは生きていたのかもしれない。五線譜を行ったり来たりしてるみたいに頼りなくも生きていたのかもしれない、くだらなくも。

ごちゃまぜなボクを書いて消して書いて消して書いて。
朝まで

2013/02/25

最後のすべり台



 長い旅路をお疲れ様でございました


どんな人生でしたでしょうか

後悔はありませんか




…それはもう、どうにもなりません

あなたが選んだことです




これからは冥界でお過ごしください

ご案内いたします


こちらへどうぞ






見える景色は


こちらでしょうか?








それともこちらでしょうか?







2013/02/22

不完全な儀式


裏返した靴底で花びらが鳴いていた。

枯れるにはまだ早く、汚すには充分に値する美しい花だった。

雨はまだ止まず、完成間近の泥がブーツの先を焦がしている。

閉じた傘の先で、花びらを剥がした。



こんなふうにそんなふうにあなたのことを感情失く剥がせたらいいのに。

2013/02/03

窒息カレンダー


窒息で溢れている悪夢のような日常

絶望に裂ける蟲を踏んだ時

食み出た蜜で26の数字を塗り潰した

未来はあるのと27に問う

窒息は捲っても理不尽に続くだろう

堕ちる聲が地上に届いた時

底這う暗黒は天使を黒に塗り替えた

過去を捨てろと30に告ぐ

逼塞は捲っても好都合に続くだろう

2013/01/16

(XII.死刑囚)死荊棘


死んでるみたいに生きていたい。
生きてるみたいに生きたくはない。

闇の隅で蛹になる
孵化することなく
黒い夢を見続けている

ドロドロとベタついた黒いスクリーン
ドロドロと溶けゆく主人公

死んでるみたいに生きている。
生きてるみたいで死んでいる。


2013/01/08

薄情な断片


記憶の中に落ちた花びらを噛む。
紅色の甘い汁が花びらの断片を縁取った。
1ミリにも満たないこの切れ端を写し取る。
時の隙間に閉じ込める作業を繰り返し、
そうだな、いつかブログに開放すれば、
僕は、僕を疑うことができるのかもしれない。

僕は僕ではない。

本当の僕は違うんだ。

レンズの向こうの世界はリアルで、
それを切り取り閉じ込めることで、
あらためて僕のテリトリーとなる。

疑うことのない現実が、レンズ越しの僕を軽蔑している。

それとも。
飲み込んだ一片だけが真実なのかもしれない。

2013/01/01

ギセイジュウデンキ

 
探してた
不確かな確信は此処に在る
誰にも見つかるはずがない
確信はひとつだから

あなたの傷は俺の存在
あなたの痛みは俺の確信
あなたの欠片は俺の失くした一部

俺に開いた無数の黒い穴
全ての蓋は何処に有るの
どうか塞いでほしい屈折した欠片で