2012/12/26

糊残り


わたしはどこで間違えたのでしょう。

修正テープをなぞってみても隠せば隠すほど露呈してしまうような気がします。

振り向いたら夥しい白線がずっとどこまでも続いておりました。


わたしはもう壊れてしまいました。

テープを貼ってみても隙間からなにかが零れ落ちていくのを止められません。

振り向きもせずにまるであのときのあなたのように冷たく突き放して去っていくのです。



いつまで間違いのまま、壊れたまま、生きるのだろう。

どうしてもっとちゃんと壊してくれなかったのだろう。

再生できなくなるまで、粉になるまで、踏み潰してほしかった。

壊死ハ ココカラ。


耳鳴リズムで甘イ牛乳をカキマゼテ
舌ピアスとスプーンがかち合って
スタートの合図が鳴ったら
壊死ノ開始ダ。

夜ハ コレカラ。




蛆氏は言いました。
「今日という日の夜は、今日だけだ。
 どこにもない夜を行け」

2012/12/08

生き止まり。


時に折、偽悪者の皮膜を脱し
刹に那、我が身の粘膜に釘を打ち

漂う
漂う
漂う
ただ、漂う

生き難い世の端を。

2012/11/26

とまもな朝


虚構に生きている。
光の眩しさでさえ疑う。
手触りを感じられたら偽でもいい。

なんでもいい。
字体にするだけだ。

今日の脳内の蛆たちはおとなしくて
味噌汁的な朝だった。
そら汁はちゃんと水色を従えてた。
もとまな一日のはじまり。


光が本物なのか、手をかざした。

 噛みつかれた手のひら
 真っ赤な嘘に塗れる僕の血潮

まともな僕の終わり。

2012/11/11

-境界線-


とにかくサイテ-な-日だった。
マイナスに付き纏われている感じ。
何も見たくない。
何も入り込んでほしくはないし、遮断していたい。
も-自分にうんざり。曖昧に笑ってみせたりしてさ。
はっきり言えればい-のに。
「嫌いなんだよ」
「近寄るな」
心の中でしか喚けね-。

2012/11/08

残存ノ枷




辛うじて生き残りし枷に同情などいらない


時々もう一つの枷を思う


繋がりは解き放たれたのか知るすべはなく


そこにあなたはいますか


もうなにも持ってはいないのだろうか
痛みすら


2012/10/31

取繕ォァ蜘蛛糸

 

ぼくたちはゆめのなかで

えいえんにさまよえる悪夢なのだ

ぜつぼうとかなしみしかないのだ


とりつくろいの現実でいきるのか

それとも

はきちがえた理想をつかむのか

2012/10/12

漂流者たち


存在無く、その場所で浮遊しているだけにすぎない。
死ぬとか生きるとか、もうどうでもよくて、ただ規則的に呼吸を繰り返している。
何にも興味を持たず、ひたすら文字を、打つ。
活字を重ねる世界が生き場所であり自分である。



げんじつとはなんだろう。

雲…

わたがしみたいな甘だるいものがベタベタとまとわりついた。

ぼくはゆびさきを服のそででぬぐった。

不快なもの。

いや…不快なのはぼく自身なのか。




あなたにとって、私はどうでもよい存在でした。
都合の良い、とでもいうべきでしょうか。
こどもが飽きたおもちゃを放り投げるように。
部屋の片隅に確かにいて、時々、壊れかけのおもちゃをひっぱりだして遊ぶ。
今ではもうおもちゃのことなど忘れているのかもしれません。



救われなき私。
報われない俺。
むだなぼく。


無表情でカタカタとキーボードを打つ。
そうしてこきゅうをくりかえす。
いつか朽ちるまで。


ぼくは。俺は。私は。

2012/10/03

侵入、不。


意識が粗悪に 近
壱㍉程度の残骸で 問
この辛辣な祈りに終止符 請
錆びた世界で溶け 願
㌢な気分満たして 欲
請、願。
遇、。
領域、侵入不。
、。

2012/09/20

鉛筆の焦燥


ここにいたいわけではない
何が欲しい?
腐敗した檻の中
逃げ出さずに何を求めているのだろう…

いつも心を尖らせている
先端は熱く、焼け跡のように焦げている

自由に思いをえがくんだ
自分の色で染めてやる
すべてを変えるんだ!

…あれ?
僕はこんなにちっぽけだったっけ?
こんなに僕はちっぽけだったか?
僕はこんなに

2012/09/18

晴れ宿り


毎日が悲しい、空
それは水色に晴れ渡り僕に影を作るんだ
眩しくて「嫌いだ」と影が言うの
だから僕は君を削ぐ
痛みは雨となり僕を濡らして影を隠す
本質なんて必要じゃない
誰もが影を従えて生きてる
ただ笑って泣いてそれでいいだろ

時々、雨
それは鈍色に暮れ惑い僕の奥を赦してく

2012/09/16

最も深い静寂


右目を殺して見た夢は
A Most Profound Quietという名のフォルダ
感染は嘲る

細胞がチカチカと点滅してる
ドラッグして眼球捨てた
完全に削除しても痛みは消えない

どこを探せばいい?
どこを探せば傷のデータを検索できる?

2012/09/14

トイレ・ストーリー


ヤツは便器の裏側覗き込んで疑問を投げかけた。
 果たしてそこは安息の地なのかどうか


サンは言った。
 そんなものどこにもない
 だがそこは安全だから隠れていろ


ポールは答えた。
 あるさ
 流れ続けていればきっと
 


僕はレバーを押して渦に巻き込まれていくヤツを見届けた。
なんどでも僕はヤツを吐き出して、感動のシーンでもないのに泣いている。
見飽きたストーリーに蓋を捧げたい。

2012/09/11

針裂ケル時



真白な部屋の中で

清潔な布団の上で

正常な酸素の下で蹲る


狂った秒針と

折れた斜光が僕を刺す




暗がりの中、赤い布の上で

もがきながら僕は気付く。

天罰が下ったと。



2012/08/30

t a r g e t



すべての敵が僕をもてなす

僕の愛想笑いの奥で
新たな刃先が産まれる

すべての敵に贈る
醜く膿む歪んだ裂傷
 

2012/08/24

手がかりは君の色


目的を見失いました。

冷蔵庫をノゾイテモ閉めても
覗いてもシメテモ

何も見当たらない。
わけもなく牛乳をスープカップに注いだりして。


換気扇をマワシテモ止めても
回してもトメテモ
何も。


君は知っていたのかもしれない。
手に握っているスプーンも。

心はフレークのように砕かれて。
  

2012/08/19

TEARS of BLOOD


ザラツイタ言葉を持って雨音を握り締めた
不確実になるあの人の気配

君は知らない
僕がどんな軽薄さを抱えているのか
君に見せる傷の内側で
絶望の細胞を作り続けていることを

痛みを塞がれた唇は
どこで叫べばいいの?


なにも聞こえないふりで僕の皮膚を破く
その指先の凶器の鈍い輝きに
カイラクを映して


苦い
苦い
記憶のFilm

一滴ひとしずく流れて オ チル


赤い
赤い
痛みのkakera

人知れず零れて ユ ガ ム




戸惑いに溺れそうになりながら
繊細な糸口をたどる


閉ざされた行き先の向こうに
あの人がいたとして…


記憶の淵で
今君の名を叫ぶ





2012/08/11

冷  酷


産まれてくる前に戻りたい
この目に映るすべてが嘘であればいいのに
窓ガラスに映る自分が嘘であればいいのに


すべてを無かったことに
何も無かったことに


 無に飲み込まれて
      砕かれて
    溶けて
      無に



ガラスには何も映らない真実があればいい

2012/08/08

乱暴ヲ途




刻 音ト キ ヲ ト を探しにいきました 


どこにもありませんでしたどこにもなかった




纏 翅テ ン シ は邪悪に微笑んだ


魅 儡ミ ラ イ は無イヨと苦く詠み砂糖菓子を甘く裂く


徽不無キ ズ ナ が撲滅して 


欠片がカケル 破片がハブク




ト キ 割れる音ヲ ト 響く

 

夜割れて


歪みに堕ち逝く


言葉に嫌われて行くは知れず






行くは知れず


誰の胸にも残らずに


横断を吐





2012/08/01

不燃物


投げつけた破片を全て拾われて繋ぎ合わされて継ぎ目がワカラナイほどに補修されてみても
光沢が出るまで磨かれたとしても
僕はゴミであることに変わりない

何度でも傷付けられて何度でも修復されてまた傷付けられて
いつか粉々になり
あなたのすくいあげた指の隙間からするりと零れ落ちる

指と指の隙間を通り抜けるとき
僕はきっと謝辞を述べるでしょう

僕は初めからゴミだったのだから

2012/07/26

dAmagE



僕が生まれてきたことの過ち

知ってる?
生まれてきてはいけなかった
暗闇の渦の中もがくことなく
ただ無心で時が終わるのを待つ

塵はどこまでも降り注ぐ
暗闇の海の底に蹲る僕の屍にも

どうか僕の全てを覆い隠してくれ
醜く腐り 溶けてゆく僕を

2012/07/21

Karappo Quest


 」目標「 






→腐れたまま死に至るまで 































るす断遮をもかも何 ←←←








↘  

                          


 む
  事
   を
    や
     め
      る








                   
                           
                           

 無を纏う・感情を捨てる 






↓      ↓     ↓
↓      ↓     ↓
書く     書く    書く
↓      ↓     ↓
↓      ↓     ↓
 




空 っ ぽ に す る



2012/07/20

蜘蛛の意図


紡ぐ言葉は嘘と見栄
張り巡られた束縛に
引き千切られそうになる

天から零れ堕ちる涙
残月の光を浴びて煌めく
とても美しいが虚飾じみている



生きる処置を施されなくても
死すすべを知らない



微かに射す光路の儚さだけが
尊い

2012/07/11

警戒芯


澄んだ空の下
黒い穴を覗き込んだ

闇黒な世界が手招きしている



僕は聞いた
「そこはどんな窮屈さなの?
 どんな警戒心で罵るの?」


暗黒が答えた
「そこはどんな窮屈さだい?
 どんな警戒心で罵られるの?」





空はとっくに蒼さを失っていた
僕はまた歩き出した

目の前に冥い穴があった


濁った空の下
黒い穴を覗き込んだ


それは僕の心の芯に宿る穴だった




蓋を探しに。
どこにも見つからない蓋を…。

2012/07/09

花萼ノ濁リ


朝ト朝ノ刹那
疑ヲ脱ギ従ウ
絶ヲ捨テ虚ヲ纏ウ
皮ヲ剥イデ脈ヲ欺ク

滅ビユク己ヲ
萼は知っていたのか

2012/06/30

契約の一語



囀りを遮り、君の唇を噛む。


唇から滲む赤い毒を指先で拭って、
舌の奥──
やわらかな喉に押し付けた。



「      」
僕の誓いは
   熱を帯びた君ノ耳ヲ触ル




頬ヲ伝イ堕チル ソレハ、


承諾の証でしょうか?

2012/06/13

『A-to-Z』


過去がなんだっていうんだ?
記憶には確証がないだろう?
君が僕に付けた傷はもうとっくに塞いでいる。
こんなの、傷跡のひとつにすぎなくて、君の勲章なんかじゃない。
もうその言葉には従わない。
喉に刺したナイフを取り出して、その支配欲を切り刻んでやる。
僕と君を繋ぐ鎖を引き千切り、声の出ない声で、君の名前を叫ぶんだ。

2012/06/10

声無き詩(ウタ)


君を失ったとき
永遠なんてないと知った

ウタうことのできない蝶は
どこで鳴けばいいのだろう


傷をすべて剥がして
心をすべて剥がして
僕は僕を置き去りにして
なにものでもない僕で

葬る


2012/06/09

(XXI.世界)Up to You



世界を見捨てることにした。


いくら待ってみても、
世の中は壊れ物のラベルを貼って存在していて、
いっこうに壊れることはない。

時だけが確実に通り過ぎ、過去へと急ぐ。

ここは、糞まみれの糞でしかない。
底を這いつくばっている僕は、最も臭いモルモットであろう。
無法地帯に放された、神様のペットでしかないのだ。

2012/05/27

忠実ナ嘔吐物(魂)


血管に棲息している蟲が神経を破壊しているのか


朝からクソな痛みに拘束されている。どす緑色の


血が口とか目とか毛穴という毛穴から染み出そう
な気配を押し殺すように、苦い珈琲を流し込んで
奴らの機能損壊を阻害しようと試みるが、ちっと
も軽減されない。よく見たら、毛穴という毛穴は
鍵穴で、俺はこいつに制限されているようだ。だ
けれど、毛穴という毛穴…ではなく鍵穴という鍵
穴に適合する鍵を探し出して、施錠という施錠を
繰り返していては、
 






もう、
 






最早、
蟲は中枢にまで達して、
 


俺の機能は、停止せ、ざる…を……得な……

 




2012/05/25

識別判断中


外は赤るくなろうとしています。

ぼくたちは部屋の掃除をしています。

なのに、ぼくのかげは、ぼくに指図するばかりでなにもしない。

ぼくは黒うして要るものと要らないものを茶んと別ける。


【早く白。】

【早く死なければ】


かげはぼくを水に言った。

これは?


【要らない】


これは?


【これ桃う要らない。】


どう橙ぶ部屋が黄れいになったよ。



セカイ灰つもと同じ朝を色別する。

2012/05/13

ランチ


信じるるものなんて
なにひとつ亡い
滑稽に誘うペコ腹に
照りりと焼いたバーガー押し込んで
ガラス越しに見える人間どもを咀嚼した
得体の知れ亡い不信感の味がピクルスに紛れ込んでる

炭酸の効いたドリンクで流し込むと
得体の汁る華やいだ味がした

今は失き、情景を飲み込む

2012/05/12

いつしかの月へ


夜空を切る一粒の雨

冷たい粒子を感じて目を閉じる

揺らぎのない確信を飲む

それは喉の奥を流れて

僕の核心に付着した


やがて陽が空を切り

一粒の光が射すことでしょう

温かい粒子を感じる頃

僕は眠りに就くでしょう

僕は僕を抱いて


冷たい僕を

陽は溶かしてゆくでしょう

僕の粒子をいつしか

月が照らすことでしょう


2012/05/09

祈り


時は泣いた
果ての境地に
行けるのなら今すぐ
夜が明ける前に旅立とうと

 赤に祈る、

時は焦れた
果敢に歩んではみたが
行く先は闇でしかなかった
夜はまだ明けない

 錯ク花に死ヲ願ウ、

時は思う
果てなど何処にもない
行くところなど何処にもない
夜ガ明ケナケレバイイ
 
 安らかなる死を。

2012/04/22

⇔跡



君がいなくなった公園で

ひとり、夜の奥を覗く。


君はもう覚えてないかもしれないけれど、

確かな感触はここに残っている。

傷の奥に。



2012/04/21

傷⇔


(過ぎ去りし罪)


檻の中は孤独過ぎた


君はもう扉を開けようとはしなかった


檻の外から


黒い涙を流す僕を見つめて


楽しんでいただけだ





檻の中は清潔過ぎた


君はもう僕を傷付けようとはしなかった


汚す価値のない哀れな人形を


蔑んでいただけだ


檻の外で






君が最後に僕に与えた最大の傷は


解放という名の罰だ

2012/04/20

雄蕊ノ幻想



 咲カズニ堕チタ蕾
 黒キ雨ニ蹂躙サレ
 汚レテユク花ビラ
 疑ワシキ雄蕊ノ闇
 味覚ハ苦味ヲ増ス


 囚ワレノ残像越シ
 穏ヤカナ川ノ岸ニ
 淡キ白イ花ガ咲ク
 イツカ二人デ摘ム
 儚イ想イヲ抱イテ


2012/04/19

狂ったウタ



時代遅れの曲が流れて
色褪せた記憶がメロディーに揺れる


掴めない雲みたいに実体のないぼくが
音程チューン狂ったギターでコード弾いている


五線譜は確かに曲を愛でているのに
ぼくのなかには愛が無かった



錆びた弦張り替えて
真白なノート広げて
存在の意味を綴る



ちっぽけな音符を重ねて
開放はじいて


ぼくはウタう
これからの今を


やがて色褪せていく今のウタを

2012/04/15

残骸意識

 

黴が生まれていた。
錆にはなれ、黴に。 
翳にもなれず、黴に。


写真に切り取った蜜柑も自分も、
本当はもう存在してないのかもしれない。


黴に犯されて
奴に喰い尽くされて 

私という人間も
蜜柑という粒々も
もう本当は存在していないのかもしれない。



存在していたくない。


奴が生まれた時、私は、既に──


いなかったのだ。


2012/04/10

Øpen up my eyes and 娼 me salvation

 
希望とか夢とか
初めはたくさん詰まっていた


今もどれかの扉の向こうにあるのかもしれない
けれど今は誰もあけようとはしない



そもそも希望とか夢とか

そんなもの

初めからあったのかさえわからない



価値が薄れている
感情が削られていく



今もどれかの扉の向こうにあるのかもしれない
けれどもう誰も知ろうとはしない



誰も

2012/04/09

引き裂ク音。



割れ散る罅





壊れ堕ちる日々





我に響ク、

2012/04/08

腐ショ区


僕の意図が錯綜してる。
欠落腫と認識される。
爛れた町でタダれ
あとは穏やかに腐敗するだけだ。

2012/04/05

空箱


相違は容易に裂傷をもてなした
薄れゆく不憫の幻灯を払いのける
俺は何を求めていたのか


想定は脆弱に劣等をもてあました
色の無い破片に幻滅を振りまいた
君は何も求めてはいなかった


有るのは何も無いという後遺症・・・

2012/04/02

詩蓋ノ疑(ウタガイノウタ)

 

 人知レズ咲イタ花

 蹂(じゆう)に自由躙(じゅうりん)され

 至みは痛る







 彼(かな)しみの悲方(かなた)に

 滲が虹む






 苦わせた狂しみに

 病みを闇






 詩(ウタ)がいを疑(ウタ)う



2012/04/01

幻影


◆時果辞典より


げん-えい【幻影】

 一、生きること。


 二、生きたこと。「-を葬る」